スイスの国際教育について

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スイスの国際性について、私がスイスで生活をして日々感じている事

吉田教授が、レザン市とレザンアメリカンスクールを取り上げられて、国際教育を論じられている点について、大変興味深く拝読させて頂きました。最後に、国際教育に関連し、スイスの国際性について、私がスイスで生活をして日々感じている事を付け加えておきます。

 

スイスに25年以上住んでいる私にとって感じる事は、国際性という点から見ると、スイスそのものの土壌が、他国と比較しても、国際的土壌であることは間違いありません。
それは、以前、自分が勤務していた多国籍企業で、国籍55か国の人達が一緒に働いていた経験からもそうですが、ジュネーブ等に集積する国際機関や多国籍企業の数の多さだけでなく、ヨーロッパの中心に位置し、大国に囲まれながらも、これまでしたたかに(EUに加盟せずして)、世界の国々とうまくやって来た歴史背景もあります。

異文化との共生空間については、スイスの公用語が4か国語、ビジネスでの英語も含めて、主に5か国語を頻繁に使っている国だと思うと、他民族、多言語国家という環境そのものが、すでにグローバル社会の縮図であり、IB教育に相応しい場だということが分かります。当然、イギリスやアメリカに見られる様に、自国の生徒が大半ということはなく、むしろ、スイス人が殆どいないのが、特徴的スイスの国際私立寮制学校です。

一歩、私立寮制学校からは外れて、スイスのローカルな場所に住んでいても、外国や外国人は常に彼らの日常に付きまとい、嫌が応にも、これまでも、そして今も、絶えず外国人が流入している国です。(私のブログにも移民の変遷の記事について書いてあります)

外国人の私から見ていても、彼らの忍耐には驚くことがある位です。多国籍企業のミーティングや町の講習等の場等で、外国人が混じっていると、(ドイツ語圏の)モデレーターが必ず言うのが、「スイスジャーマン分かりますか、ハイジャーマンにしますか?」という質問です。或いは、「ドイツ語(またはフランス語)にしますか、英語にしますか?」といった質問です。

スイスでは、出席するメンバーによって言語を変えるのは、日常茶飯事です。

外国人に対して、彼らの前では絶対にキレない、という処が、いわゆる、長い年月の中で培われて来た彼らの多言語・多様民族の共生国家としての強さかもしれません。

日本での国際教育は、吉田教授が書かれている通り、未だこれからですが、日本の未来へはばたく子供達には、国際教育を受ける人がもっと増えて、日本と世界との架け橋的存在になれる人材が、沢山出て来ることを願い、このスイス国際教育の紹介や仲介業をしている次第です。

これから益々グローバル化社会に突入する世界で、日本国内だけで完結できることは、それ程多くはありません。その為にも、選ばれた子供達かもしれませんが、この様な環境のスイスで教育を受け、日本を支えるリーダーが育まれていって欲しいと願うばかりです。

スイスジャパンサポート
代表 近藤 美穂
(在スイス)

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