1.子供をスイスに留学させる利点は何ですか?

①幼少期の感受性を育て、広い視野を持つ子どもに
“小さい子には旅させよ“と言う通り、小さい頃から感受性を刺激し、たくさんの経験をさせることで見聞が広がり、一面的な視野から多面的な視野を育むことができます。もちろん、本人が本当に嫌がっているのを無理やりにさせてはいけませんが、本人が少なからず海外に行ってみたいという意思があれば、外国語や外国人との接触に慣れさせることは、日本の中で日本語しか使わない環境にいるのとは全く違う感覚を体で覚えるものです。当然、すべての子供に留学せよ、とは言いませんし、何歳からの留学なら大丈夫、といった明確なものはありません。独立心のあるお子さまであれば、比較的早い時期からの留学も検討に値します。

②実践的な語学力と多様性(ダイバーシティ)の感覚を育む
日常生活で学校と塾、習い事を往復というような生活環境の中にいるだけでは多様性(ダイバーシティ)を肌で感じる機会は限られています。それが外国人が周りにいて、外国語を話す環境の中に放り込まれることによって、日本でインプットだけの外国語習得法だったのがアウトプットも瞬間的に行うことになり、「覚える英語」から「使う英語」へと意識が変わります。この経験を重ねることで、自然と英語で考える力、いわゆる“英語脳”が育まれます。

③英語圏とは異なる、ニュートラルで国際的な環境
スイスには世界各国から学生が集まり、みな同じ立場で英語を学ぶため、
英語圏の学校とは異なり、英語が母語でない生徒同士が互いに尊重し合いながら学ぶ「対等な学びの環境」が整っています。
最初は誰もが英語での生活に戸惑う方もいますが、周囲の生徒たちも皆、幼い頃から英語を話してきたわけではなく、
完璧な英語ではなくても互いに理解しようとする姿勢が自然に根づいています。

その中で、言葉への自信が少しずつ育ち、実践を通して使える英語力と多文化の中で生きる柔軟さが身についていきます。また、英語だけでなく、さまざまな国の文化や考え方に日常的に触れることで、真の国際感覚と、多様性を尊重する姿勢が育まれます。
スイスは多言語ですから、学校から一歩出れば人々はフランス語やドイツ語を話しています。それらの言語への接触もあり、第二外国語言語学習への興味も出てくるでしょう。学校によっては、第二外国語が必修のところもあります。 

④世界に誇る教育環境と安全な寄宿体制
スイスには世界中から子供たちを、設立から100年以上のボーディングスクールが受け入れてきた歴史があります。経験豊富な教師陣が学業を支え、寮スタッフが24時間体制で生活面をサポートします。
各校の教育方針や受け入れ年齢、学校の特色はさまざまですので、お子さまの性格やご家庭のご希望に合わせて、最適な留学先を一緒に検討いたします。

⑤ヨーロッパ文化に直に触れられる学びの環境
スイスはヨーロッパの中央に位置することから、遠足や観光などで隣国へ行くには電車やバスでも行ける近距離にあります。パリ、ミラノ、ミュンヘン、ウィーンなど、主要都市へも飛行機でわずか1時間ほど。多くの学校では、教師が引率してヨーロッパ各地を訪問する修学旅行や文化イベントが行われ、学問だけでなく、文化・歴史・人との出会いを通じて、真の国際感覚を育みます

2.子供を外国の学校にやってしまうと、日本人らしさを失うのではないか心配です。

確かに、アイデンティティの形成という観点から見ると、あまりに早い時期の留学には慎重な検討が必要です。しかし、スイスのボーディングスクールでは夏休みや冬休みなどの長期休暇もあり、子どもたちは年に数回、日本に帰国する機会があります。学ぶときはしっかり学び、休むときはしっかり休む――そんなメリハリのある生活リズムがスイスの学校の特徴であり、日本とはまた違った形で、心身のバランスを育ててくれます。

帰国子女の多くは、数年間の海外生活を経て日本の学校や社会に戻りますが、少しずつ慣れていくうちに日本人としての振る舞いを身につけていきます。海外での生活を通して日本と外国の違いを理解し、結果として、日本の文化や自国への愛着をより深く実感するようになります。
日本の良さを本当の意味で理解できるのは、一度日本を離れた経験があるからこそです。

さらに、ボーディングスクールでは、子どもたちは普段家族と離れて生活します。
しかし、これは決してマイナスではないと思っています。距離があるからこそ、家族の大切さに気づいたり、
日常的に顔を合わせているときよりも、お互いを思いやる関係が生まれることがあります。
特に思春期のお子さまにとっては、親から少し離れた環境で生活することで、自立心や親への感謝の気持ちを育てる貴重な機会にもなります。

留学は、人生の中の一つの過程にすぎません。その期間で培われるのは語学力だけでなく、人との距離の取り方、異文化への理解、そして家族や自分の国を見つめ直す力だと思っています。
時間をかけてゆっくりと成長していく中で、お子さまはきっと、日本人としての軸をしっかり持ちながら、世界で生きる力を身につけていくことでしょう。

3. 10歳以下でスイスボーディングスクールへ一人で送ったので、親として心配です。

小さなお子さまを一人で海外へ送り出すのは、どんなに準備を重ねても、心配が尽きないものです。
私自身も子どもをボーディングスクールへ送り出した経験があり、「本当に大丈夫かな」「寂しい思いをしていなないかな」と、同じように不安になる気持ちを味わいました。

けれども、離れて暮らす時間の中で、子どもは驚くほどの成長を見せてくれました。
そして私もまた、子どもの強さや新しい一面を知る機会となりました。

ここでは、そんな不安を少しでも軽くし、安心して見守るためのポイントをいくつかご紹介します。

① 定期的な連絡を「安心の習慣」に

まずお子様が小さいうちは、特にお母様から定期的に連絡を取るように習慣化しましょう。学校寮の責任者と話し、何曜日の何時には必ず、親から電話やスカイプが来ることをセットする様にお話し下さい。
②学校では年に何回か父兄会が行われます。お子様が小さかったり、入ったばかりのうちはなるべく参加するようにしましょう。親が心配して見守っているよ、ということを示して寄り添ってあげましょう。色々な意味で、スイスへ行って先生や寮の責任者と会い、その環境を理解し、本人と会って話すことはとても重要です。

③学校を「見に行く」ことで生まれる安心

多くのボーディングスクールでは、年に数回、父兄会やイベントが開かれます。
入学したばかりのうちは、できるだけ足を運んでみましょう。先生や寮スタッフと直接会って話すことで、学校の雰囲気や生活の様子がより具体的にわかります。
「見て、話して、感じる」ことが、親御さん自身の安心にもつながります。

④同じ立場の保護者とつながる

もちろん、学校担当者に相談するのが第一歩ですが、それでも解決が難しいときや、距離のあるやり取りに不安を感じるときは、現地エージェントのサポートを利用するのもひとつの方法です。私たちは日頃から学校を訪問し、担当者や寮スタッフと定期的に情報を共有しています。
また、学校の行事にも参加することが多く、必要に応じて日本人ご家庭に代わって現地の保護者や学校と連絡を取る橋渡し役を担っています。                                      英語が苦手な保護者の方や、現地との距離に不安を感じる方にとっても、心強い「現地の家族」のような存在でありたいと思っています。

4. 欧州のテロが心配です。

欧州のテロについて考えると、スイスの場合、他国と比べて安全ということが言えます。その理由は、

① スイスのボーディングスクールは都市にはなく、殆どが田舎の山間や高台の風光明媚な場所にあります。日本からのお客様が実際に言われたのは、「スイスでテロにあっても、牛にぶち当たるのがオチですね」でした。

② 学校でセキュリティには大変気を配っており、外部の者が簡単に入れないように正面入り口や寮等はロックされています。

③ フランスやイギリスの大国の様な都市と違い、スイスはゲマインデ又はコミューンと呼ばれる市町村に細かく分かれている為、周囲や近所の眼があります。

④ ベルギーと比べた場合の違いは、以前ベルギーで事件の起きた場所は外国人居住地区(ゲットー)だったそうですが、スイスでは外国人ばかり住む地区というのはありません。これは昔から安全政策の為にそうしてきたというのを聞いたことがあります。

⑤ スイスでは観光に力を入れていることから、テロ対策に必死である、というニュースを地元の新聞でよく見かけます。最近では、大学の専門家と提携してテロ対策を行っているというのを読みました。実際には、市場や祭りの大勢の人が集まる場所にはコンクリートで遮断する防御が置かれていたり、街頭や電車、駅構内などにビデオカメラが更に設置されたり、公衆の場所(駅やショッピングセンター等)ではセキュリティ警備を増員した、といった具合です。

⑥ 駅などで身元がわからない荷物や段ボールはすぐに処理されてしまう為、逆にうっかり自分の荷物をその辺に置いておくと、怪しいと思われて、持って行かれてしまいます。実際にそういう光景を見たことがありますから、荷物から離れない様に注意しましょう。

5. スイスのボーディングスクールに合格出来るか心配です。

多くの親御さんが、スイス・ボーディングスクールの入学プロセスを日本の学校の受験の様に考えられている方が多いですが、日本の私学へ入学する場合との大きな違いは、試験の点数や日本の学校の成績だけで合否が決まらないということです。

スイス・ボーディングスクールのアドミッションのスタンスは、日本での学校の成績表やテストの結果にももちろん目を通しますが、それ以外の学校での行動評価、健康状態、面接で会った時の印象、受け答え、態度、学校の勉強以外で何に関心・興味を持っているか、スポーツ、音楽(楽器など)、アート、趣味などについても尋ねます。特にその子供の得意分野、才能、個性というところに焦点を当てます。

子供の今まで暮らしてきた環境はもちろん、なぜ家庭環境を離れ遠い海外の寮生活を希望しているのかをじっくりと尋ねます。そして、なぜスイスのボーディングスクールか?というところも聞かれるポイントです。本人が本当に寮生活を希望しているのかどうかを見るのは特に重要で、親からただ強要されていると、モチベーションが弱く、成功する学校の寮生活が送れないからです。そのため、自主性がある子供であることはプラスポイントとなります。

また、お子さんがこの学校でどんな目標をもって励むのか、将来の質問も尋ねます。子供の方向性、~をやりたいという意思、そしてその先にある目標が一致しないと海外留学はうまくいきません。つまり、子供時代を遠く離れたボーディングスクールという寮生活で暮らすことが、その子供にとってプラスに働かなくては意味がないからです。

そういう意味で、子供の持っている素質とこれからの子供の先行きを考えながら、子供、親、学校の担当者が、face to faceで面談をする、という感じなのです。さらに言えば、そこへ私どもの様な現地のエージェントが入ることで、彼らのコミュニケーションをよりよいものにして互いに満足が行くように働きかける、寄り添ったお手伝いを致します。日本に比べると個人主義の強い欧州の私立寮制教育では、自主性や独立心が特に推し進められ、自分から率先して行動したり、学習することが成功の留学のカギとなります。

6.IB(国際バカロレア)とは何ですか?

1968年に、スイス・ジュネーブの非営利組織、国際バカロレア機構(IBO)が国際バカロレア(IB:International Baccalaureate)という教育プログラムを発足しました。

元々スイスは、多国籍企業や国際機関等、多くのEXPAT(自国を離れて企業から外国へ派遣される人)が住んでおり、彼らの子供達に合ったグローバル教育が作られていた背景があります。大学の入学資格に使えるメリットはもちろんですが、最大の魅力は、世界に通用する論理的思考力や表現力、コミュニケーション能力などが身につけられることにあります。多くのスイスボーディングスクールでは、このIBディプロマが取得できる学校となっています。詳しくは、以下の文部科学省のサイトをご覧ください。

https://ibconsortium.mext.go.jp/

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