日本の将来を担う子供達に、若いうちに世界を見てもらいたいという願い

日本に住んでいて見えてこなかったものが、留学先の外国で生活して見えてくるものがあります。それは、もちろん、様々な国から集まって来たクラスメートの価値感が、日本人のそれとは異なるからです。

日本という単一民族の、平和な国にいると、民族同士のぶつかり合いとか、言語が異なることでの緊張感がありません。でも、一端、世界へ出てみると、ほぼ単一民族だけで暮らしている国なんて、ほぼ無いに等しい、日本は極めて稀な国だということが分かります。

その世界との違い、世界のウネリとやらを若いうちに肌で体験する、それが留学の醍醐味です。

ひと昔前の日本の“国際化”に対応する、“国際教育”は、一歩外から覗いてみるような見物することでしたが、今やそんな流暢なことは言ってられません。グローバル化の流れは遠い極東の日本にも多大な影響が押し寄せ、失われた20年も、シャープが破産したのも、すべて、その、日本人のグローバル化の流れに出遅れたのが一原因なのですから。

20年の遅れを取りながらも未だ、混沌として、一歩が踏み出せない、そういう、景気の復活が未だに不安定な雰囲気は、日本に来るたびに感じることです。

今や、ただ、英語だけを学習して見物しているのでは十分ではなく、同じ土壌に立って、物事を進めて行かなくてはなりません。

大前研一の日本の論点2016~2017(プレジデント社、2015年11月19日出版)の中で、日本を立て直すには、教育改革が必要だと書かれていますが、私も同感です。子供達には多くの才能が眠っているのに、それを生かして、ポテンシャルを引き伸ばし、育て上げていく教育になっていないのが現状です。

日本の大学で、経済を勉強するといえども、過去の出来事をただ暗記するだけでは、何も役立たず、現代社会に照らし合わせながら、自分が社会に出て、これから稼いで行くための準備期間としての大学であるべきなのです。

もっと言えば、日本へ来るたびに私が感じる事で、この3つがこの国に長引く不況をもたらせ、国を後退させたと思うのは、1.政治のしくみ、2.教育、3.女性の活用の欠如です。

特に、3.については、頭脳明晰な女性がたくさんいるのに、その才能を生かしきれずに、男性社会の中で、埋もれてしまっていると感じます。これら3つとも、良いしくみがないからだと私は思います。

ヨーロッパのスイスに長い間住んでいて、日本と比べて思うのは、普通の人が暮らしの中で、自分たちの生活を守る為に、政治に関与し、投票する。その普通の人たちの自然な

考えがそのまま投票結果に往々にして反映され、その直接民主制によって、国の方針も動いて行きます。

これが、日本の場合、大半の国民が思っている事と反することが、国会で決議されたり、地方では、例えば、過半数の住民が“ここに飛行場は必要ない。”と署名しているにも関わらず、どういうわけか、飛行場が出来上がったりしてしまうわけです。

国民投票が頻繁に行われるスイスの直接民主制度を比べるのは、若干無理はありますが、本来、国民の暮らしが主体であって、男性政治家にありがちな、単なるパワーゲームになっているだけでは、何の解決にもならないのです。

こういう結果を海外から見ると、日本はある種、中東世界と雰囲気があまり変わらないのでは?という感じすら覚えることがあります。一握りの人が勝手に物事を決めてしまう、女性の意見もあまり通っていない、、、という点で。

これからの将来の日本を良くしていく為にも、私は、子供達に、若いうちに少しでも海外へ出て、海外の子主達と触れ合いながら、世界から日本を見て、色々な気付きを覚え、経験して欲しいなと願うばかりです。

近藤 スイスジャパンサポート

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