なぜ、日本企業は海外進出が下手なのか?という東洋経済オンラインの記事について、少し私の意見を書いてみます。この記事自体は2014年07月07日に
によって書かれたものですが、2016年10月25日にネットから引用して分析します。この表題に私が興味を持った理由は、私もそう疑問に思っている一人だからです。特に、海外に住んでいると、余計、他の中国や韓国が日本よりも海外進出に積極的なのに対し、じりじりしてしまいます。
失われた20年の根源は、まさにこの疑問の答えに潜んでいるからです。いやいや、これから日本は、さらに30年に突入しようとしているという人もいるくらいですから、留学生の少なさとも比例するのかも、という感じもしていたので、この記事を読んでみました。
まずは、日本企業は、日本のやり方に固執しすぎ?と書かれています。
これについては、80年代後半~90年代に海外へ進出していた多くの日本企業の例から、本当に、ローカライゼーションとはほど遠いことを私も海外にいて、実感体験していました。言葉もよく操れない日本人マネージャーが、日本語を話すローカルスタッフを雇い、一緒に仕事をするパターンです。本社とのやり取りを彼らが担うのですが、一向に効率的仕事が捗らない光景が多く見受けられました。
なぜなら、日本企業から突然やってきた彼らには、ローカルとの溝が余りに深く、かといって、海外進出におけるマーケットリサーチも戦略も何もないような状態だったりしたからです。つまり、見ていて、なんのコンセプトもなく、放り込まれた的に駐在として、住居を与えられ~さあ、お前やれ見たいな感じで、結局雇うのは、日本語が出来るスタッフ止まりだったりしたものです。
その国特有の“ゲームのルール”がある(記事から抜粋した見出し)
ローカルの立場になって考えるには、まずそこに腰を下ろして住んでみなければ、彼らの考えていることなどが到底理解出来ません。しかし、3年やそこらでまた帰ってしまう彼らにそんな余裕はなく、表面的な仕事しか出来ないうちに期間満了となってしまいます。
そこで、記事には、企業が取るべき最初のステップは、日本と現地との間にある顕著な違いに気づくことである、と書かれています。
そこで、次に著者は、以下のような表を作成しています。「日本とアジアの12カ国、欧米の5カ国との間に存在する「制度的な違い」について、数値化した表を作成しました。 これらの数値は、“ゲームのルール”が日本と各国とでどれだけ異なっているかを示したものであり、数値が大きくなればなるほど隔たりが大きく、それだけ 「よそ者の不利益」が大きいことを示している。表は、日本との「制度的な違い」が小さい国から順に並べられている。」
「社会学者によれば、もし日本列島を欧州の端に引っ張って来られるなら、社会のあり方という観点から、そこにぴったりはまるだろうとのことである。」これは面白い分析だと思います。
この分析を著者は以下のように述べています。
「これらの国々に進出する場合に調整がまったく必要ないという意味ではない。たとえば、ドイツ企業が明文化された規則を非常に重視するのに対し、日本 企業は暗黙の了解のうえで事を進める。北欧企業は日本企業に比べて、より対立が先鋭的でそれほど調和を重視しない。とはいえ、全体として見れば、ほかの地 域へ進出するよりも調整の程度は少なくてすむであろう。 米国はランクの真ん中に位置しており、最近の日本企業の投資先として最重要である中国とインドは、最も隔たりが大きく、調整の必要度が高い。」
著者は、日本企業進出の際のコツをアドバイスしているが、私が考えるところ、要は、海外での人材確保が困難な点がかなり大きなウエートを占めていると考えます。
日本企業にとって、外国人と一緒に仕事をしていくことは、今まで日本の歴史上、かなり僅かな歴史しかない。日本ほど、鎖国も含め、外国人と共生してこなかった国も他にないのだから、”日本人の外国人との共生は、未だ始まったところ”と私は思っています。それまでは、日本人にとっての外国人とのコミュニケーションというのは、外国人=お客さん的な接触がほとんどだったのは事実です。
インターネットの時代で、ようやく日本も少しずつ、外国との取引を普通の企業が考える時代に突入してきています。
それを考えると、国際取引のプロともいえるスイスという国は、交渉に長けていて、外国語にも問題がない。これから、人口が減る中、日本は海外との取引なくしてはやっていけない状況にある故、日本の子供たちが、小さいうちから外国に慣れておくことは、必須であると、考えます。
その中で、特に経済的な余裕のある子どもには、国際教育を受けてもらい、どんどん外国人と交友を広げ、普通に英語も日本語も出来る人材が増えて欲しいものです。ネット社会という早いテンポの中で、通訳がいるから大丈夫なんていう時代はもうとっくに過ぎ去り、ビジネス英語は自分の口から交渉しなくては、遅いからです。
だからこそ、私は、ここスイスの国際教育の場を日本の子供たちにこそ体験してほしいと願っている今日この頃です。
10月24日
スイスジャパンサポート
近藤 ミホ