子供の海外留学を考えるとき、まずはどこの国にしようかと考えると思います。
一つ、私が国の選択で重要だと思うことを書いてみます。
スイス留学と対極にあるのはフィリピン留学です。
フィリピンの場合には、主に大学生以上の大人なので、子供の留学には少しずれますが、フィリピンを選ぶ理由は、まさに”値段の安さ”です。英語を話す、安い外国だからです。
では、英語を話す国ならどこでもいいのか?という問いが浮かびます。
私は違うと思います。
スイス留学の場合は、主に小中学生が対象になるので、「環境」こそ重要です。
10歳前後の子供は、スポンジの様に、色々なことを学習して、脳にインプットして行くだけでなく、身体を鍛えながら、仲間と様々な活動を通して、寮生活の中で学んで行きます。教える先生は、勿論、ネイティブスピーカーです。
スイスでは、今年も1月にダボス会議が開催され、トランプ大統領らの各国の首脳や著名人らがやって来ました。
その前の週は、ローザンヌで、環境活動家のグレタさんがやって来て、地元の若者の環境デモ集会がありました。その後、同じローザンヌでは、9日からユースオリンピックが開催され、79か国から約1,870名の選手が出場して、22日に幕を閉じたところです。
アルプスのラークスでは、スノボーの世界大会La ax Openがあり、日本人選手がメダルを獲得しました。同じ頃、ウェンゲンではラウバーホルン・スキーワールドカップもありました。
又、現在、ローザンヌでは、世界的に有名なバレエコンクールが始まっていて、多くの日本人も参加しています。
現在、コロナヴィ―ルスが蔓延している中、WHO (世界保健機関、ジュネーブ本部)の声明は各国政府にとって重要です。国際的な問題が提起されると、ジュネーブにある国際機関からメディアニュースが発信されています。
2020年は、明けてから未だ1か月しか経っていませんが、こうやって見ると、世界的ニュースがスイスから発信されている感じがしませんか?
スイスは小さい国ではありますが、国際機関が数多くあり、国際的な会議、スポーツ選手権が行われていて、人やお金が世界から集まる所です。しかも、その度に世界のメディアが注目し、付随した経済活動も動くという現象です。
スイスと日本に共通するのは、豊富な資源はないが、これまで経済発展を遂げてきたところです。スイスは日本よりも輸出に特化した国で、技術革新を遂げながら、付加価値を付けて外国へ輸出して来ました。そのいい例が精密機械などの時計産業です。一時日本が発明したクオーツのお陰で打撃を被った時期もありましたが、その後は高級機械時計で盛り返し、不動のスイスブランドを確立しています。高級車を買うのと同じ位にまで高めたのが、スイス高級時計です。
多国籍企業が多く集まっているスイスでは、金融では、UBSやクレディスイスをはじめとした大手銀行や、ロッシュ、ノバルティスといった製薬企業、食品ではネスレ他、世界企業の本社が軒並み存在します。
教育に関しては、1968年にスイスで発足されたIB(国際バカロレア)の本拠地で、グローバル教育の発祥でもあります。
自国の子供が少数派しかいないボーディングスクールなので、他の国と比べると、フェアな立場で学習することが出来ます。国籍数も、学校によって異なりますが、生徒は55か国以上の国々から来ています。
こうやって「国際性」についてみれば、スイス程理想的な環境はないと私は思います。
未だ子供が小さいうちは、安全でグローバルな環境で学ばせ、大学から北アメリカや英国等へ行かせるのが理想的だと考えています。勿論、その後、日本の大学へ行く選択も可能です。
特に小学生、中学生の時期の留学に関して言えば、余裕のあるご家庭の場合、英語さえ話せばいいという国に送るよりも、「安心」で、しかも「いい環境」の留学が出来る国選びをすべきだと私は思っています。
更に言えば、モノ、人、カネが集まるそういう国際的環境でこそ、教育投資のしがいがあり、学校時代の仲間が、生涯にわたる世界的人脈にも発展していくのです。
スイスジャパンサポート
近藤