私が日本に来ると参加している、セミナーがあります。それは、経営コンサルタントの石原明氏が主催していらっしゃるセミナーです。彼の著書“成功曲線を描こう“の中に、次の様な下りがあります。
“子どもは何を糧に大きくなるかというと、自分に自信を持つこと。それによって、大きく成長するのです。 (略)…自信は何によってもたらされるかといえば、親の強い愛情です。どうみても普通の顔なのに、とてもかわいく見えてたり、少々意固地な性格も見方を変えれば芯の強いしっかりした子だということになるのです。親が自分の子供だけは特別だと思っていてくれるから、その愛情で子供は安心して育つのです”
仕事や経営について書かれた本なのですが、彼はこのような子供の成長を取り上げながら、どうしたら、将来、成功に結び付く考え方ができるか等についても、とてもわかりやすく書いています。
例えば、日常生活の中で、親から四六時中否定的な言葉をかけられていると、どうせ自分はだめなんだ、と子供は思ってしまいます。
以前、米国人と結婚した友人の家族が遊びに来た時に、私が関心したのは、米国人の旦那さんが、幼い息子さんに、一生懸命、些細なことでもほめていたからです。
小さい頃から、いつも、“すごいぞ、すごいじゃないか。”とか“よくやった”とか、とことん元気づけて励ます、日本人のお母さんの多くは、概して、“早くしなさい、何してんの!”とか、逆をやりがちになってしまうので、その光景を見て、“人の振り見て、我が振り直せ“如く、自分自身、子供を急かしているなと反省したことがあります。
毎日の生活の中で、ある種の習慣ができてしまうと、その枠の中でしか、自分を見られないし、自分の可能性には気づけないですね。
子供も同じで、ましてや、周りに、“お前ってすごいぞ!”なんてほめてくれる人がいなければ、尚更です。
だからこそ、子供が、いつもの見慣れた環境から、全く状況の違う、海外に行って、留学に送ると、子供が急にしっかりしてきて、自信を持つようになるのです。
“私(僕)にはできる“という自信が芽生えてきます。
“どんな状況でも大丈夫”という感覚です。
帰って来ると、少し大人びたようになって、親の方が驚く程です。
子供でも、ちょっと自分を、後ろからとか、遠目で眺められるようになれば、それは自立の芽生えです。
私のお客様のお子さんについても、保護者の方から、スイスに行って帰って来てから、急に大人びて、自信がついたようだ、ということを聞きます。
最近、若いお母さんと話していると、“自分でしっかりと歩いて行ける子供”、“逞しく育ってほしい“、“生命力のある子”というキーワードが、時々登場してきます。
どんな状況下であっても、“たくましく育って欲しい”、と思うのは、いつの時代でも親が子供に願うことです。近年、この先が読めない時代には、尚更のこと。
それには、まず日本という国を外から、海外から眺めてて見る、そして、更に、自分自身に視点に向けてみることで、子供ながらに、独立心が出て来るのではないでしょうか?
留学の効用とは、若いうちに、コンビニも無い様な外国で、互いに外国語を話し、同世代の子供達と交わいながら、今まで感じなかった多くの気づきをもらって、感受性と考える力が養える絶好の機会だと、私は思うのです。
英語が分からなくても、子供は、最初は気にしなくていいんです。全身を使って何とか伝えようとしたり、あるいはスポーツで共通言語を見い出せるかもしれませんし、子供のうちは、遊びながら色々体感することを重視するべきです。
それと、大事なのは、文法の間違いを恐れて話さないのではなく、コミュニケーションすることこそが大切だと思うのです。
もちろん、言葉が伝わらずに、相当悔しい思いをするし、泣いてしまうこともあるかもしれません。
子供が、夏休みなどに、海外へ短期間留学し、何かしら、彼、彼女なりに吸収できて、ちょっとでも逞しくなって帰ってくれば、親としてもうれしいですね。
以上、子供の留学の効用についてでした。