スイスの中央より少し北に位置し、チューリヒまで汽車で20分程の所に、ツークという町があります。
小さな湖と、旧市街、そして小高い丘があって、美しい小さな町です。
この丘は、ツッカーベルグといい、この丘の上に、1926年設立のモンタナという私立寮制学校が建っています。地域のスイス人も通学、または寮で学んでいて、ドイツ語の私立高校(ギムナジアム)と、国際部門(外国人が英語で学ぶ)があります。実は、小学校からバイリンガル(英語、ドイツ語)の学校もあるので、全生徒数は、300人以上に上ります。
米国のケリー現国務長官も、この学校で学んだことで有名です。両親がスイスに住んでいた関係で、数年在籍していたそうです。
この学校の特徴は、・スイスドイツ語圏にあること、・1年だけといった、短期留学は受け付けていないこと(じっくりと高校卒業まで学ぶ人が対象)、・入学には、ある程度の成績が求められること、・クラブ活動は、ドイツ語の生徒と一緒になる(文化交流が学校の方針)、・日本から直校便でチューリヒまで来ると、一番近い留学先の学校、・ツークの町から近い、等 私がこの学校を訪れた印象は、学校が落ち着いた感じというものです。独語では、よくbodenständigという言葉を使いますが、この場合の意味は、地元に根付いたという感じでしょうか。それは、地元のスイス人の通学生もいるせいで、レベルも高いです。
日本の人は、スイスのフランス語圏とドイツ語圏、それから、第二外国語をドイツ語とフランス語と言った時に、どちらかと言うと、
フランス語とフランス語圏を選ぶ人が多い様な感じがしますが、ドイツ語圏で、英語の他にドイツ語を学習するのもおススメです。なぜなら、例えば、欧州を見た場合、ドイツという国が、今一番力があるからです。
つまり、ドイツの情勢を知らずに、ヨーロッパについて語れないわけです。ドイツ語をそのまま理解できれば、英語に訳したものから情報を得る必要がありません。更に、ドイツ語は、オーストリアとスイスの65%の国民が話しますから、役立ちます。どちらにせよ、スイスの私立寮制学校へ行けば、第三外国語というのも選択できるので、フランス語も学習出来ます。
スイスのドイツ語圏という、日本人の気質に通じる真面目さを感じる環境へ留学するのも、いい経験だと思います。