コロナ期に考える子供の教育とスイスボーディングスクール

スイスのボーディングスクールでは、コロナ期の初め、3月の半ば、一斉に子供達を各々の国へ帰して、遠隔授業が開始されました。

 

学校によって、其々特徴がみられましたが、ボーディングスクールの遠隔学習への切り替わりは、見ていてかなり早い対応だったと思います。

 

ご兄弟で、日本の公立へ通っているお子様とボーディングスクールへ通われていたお子様を持つ親御さんからは、ITが進んでいない日本の学校に比べて、スイスの遠隔学習の良さについて感想を述べられていた方もいらっしゃいました。

 

ボーディングスクールには、IT担当者がいるので、コロナで学校が閉鎖という初めての事態でも、俊敏に対応出来た模様です。

 

スイスの学校と日本の保護者様を結ぶ現地エージェントとしましては、今回のコロナにおける学校の保護者へ向けた連絡と新学期からの対策が、終始メールで連絡が入って来たことから、各学校の校長の思いやその時々の対応が、手に取る様に経験出来ました。

 

グローバルな国籍を持つスイスのボーディングスクールですので、生徒達は、皆、地球のあらゆる場所に散らばっており、ステイホームをしながらの学習です。

スタッフや教師も同じ境遇で、様々な国から生徒を元気づけ、学習を行うという困難な状況でした。

 

遠隔授業に慣れていない日本の生徒には、大変な苦労もあった様ですが、学校では、寮責任者の定期的な電話やチューターのメールでの励ましもあって、何とか切り抜けていました。

 

また、低年齢層を中心とした学校では、子供達が家にいて飽きない様に、様々なアイデアや工夫をした課題を与えて、画像や動画を使った提出をしたりしていました。

 

この時期を利用して、英語力不足していると思う生徒は、自ら積極的に、日本の塾に通って、より一層学力をつける努力もしていました。

 

結果的には、こんな環境にもかかわらず、大半の生徒達は、しっかりと勉強に励み、学校のスタッフが感心するほどの上達を遂げていたというのが、寮スタッフのニュースレターからもうかがえました。

 

「コロナ禍で、世界中から生徒が集まって来るボーディングスクールも、さぞ大変な時期に直面しているでしょう?」と人から尋ねられました。

しかしながら、私が答えたのは次の通りです。

「実は、コロナ禍だからこそ、自国の学校へは行かせたくないと思う親も、世界にはいるんです。発展途上国で自国の教育に不満だったり、コロナの影響もあり、学習するにはいい環境ではない等、安心安全なスイスのボーディングスクールへ行かせたいと思う親が出て来るわけです。

勿論、これまでの学校教育への不満が、このコロナを機に噴出したり、子供が学校へ行くのが嫌になってしまったという場合もあります。

不況時のリーマンショック時でも、すべての人が全財産を失ったわけではありませんでした。スイスのボーディングスクールは、そういう困難な時期に、意外と強いのかもしれませんね。」

何が、人生の転機のきっかけとなるかはわかりません。

設立から100年以上を経ているボーディングスクールがスイスに多いのも、そういった変遷をくぐり抜けて来たノウハウがあるのかもしれません。

 

世界中の子供達を相手にしているからこそ、その市場の多様性が強みとなっているのでしょう。

スイスの持つ、地理的な欧州のど真ん中にあるアドバンテージ、モノ、カネが集まる国際市場、しかも、スイスはIB教育発祥の地、そして、特に富裕層家族向けに対応出来るスイスの環境とスイスのイメージもこれに功をなしていると思われます。

 

コロナ疫病が世界レベルで起きたことで、家族や人生について、改めて考える機会を得た人も少なくないでしょう。

そういう時期だからこそ、自分の子供にとって本当にいい教育とは何か、を考えるいい機会になったかと思います。

 

個人的には、コロナ期に世界中の人々が同じ困難な状況を経験したことで、世界は何と狭いことか、人間は皆同じだ、と改めて感じたものです。

未だコロナは終息したわけではありませんが、私達はコロナと共に生活し、うまく切り抜けて行く術をこれからも随所で学び、マイスターしていく道を決断していると、前向きに捉えていくべきだと思います。

 

2020年7月31日

 

近藤

スイスジャパンサポート